【コラム】ケトルベル

今回は「ケトルベル」です。

ケトルベルの種目はたくさんあります。しかし、いろいろな雑誌でケトルベルの取材を受けることもありますが、雑誌はだいたい一回なので超基本種目だけの紹介になってしまうわけです。連載誌でこうしていろいろな種目を紹介できたり、詳しく説明できるのは大変良いことですな。遊びの要素を取り入れた種目もあるので、ぜひやってみてください!

 

 

広まりつつあるケトルベル

 

出稽古先の道場でケトルベルを見かけることも多くなり、トレーニングの一環として行う格闘家も増えてきました。

格闘家に広まった理由としては、格闘技の実際の動きに近いバリスティックな種目が多い、道場にウエイト設備をおくスペースがなくても一畳ほどのスペースで行える、サーキットトレーニングで心拍数を上げたり筋持久力を養え実際の試合に近い状態を作ることができる、などが挙げられるようです。

数年前は「ダンベルでいいじゃん」と実も蓋もない疑間をぶつけられることもありましたが、今では技術的な質問を受けることも多くなり、ケトルベルも普及してきたんだなぁと

感じます。

しかし、「重いケトルベルは必要ないんですよね?」「反動を使った種目しかないのですか?」「ケトルベルはノーギアのほうがいいんですよね」などの質間を受けたりもします。そこで今回は単なる種目紹介だけではなく、正しい知識、高重量ケトルベルを扱うコツなど、ケトルベルをいろいろな側面から見てみようと思います。

 

何キ口のケトルベルを選べばいいの?

 

ケトルベルは全身の連動性を使って行う種目が多いので、軽いものだと効果があまりありません。したがって、「ショルダープレスができる重量よりやや重いもの」を選ぶといいでしょう。運動未経験者の男性で16キロ、運動経験者で24キロ、ウエイトトレーニング経験者で32キロをお勧めします。最初はスイングやクリーンしかできなくても、やり込んでいくうちにスナッチやトルコ式ゲットアップができるようになります。

「一通りの種目もできるようになってきたし、そろそろ2つ目が欲しいなぁ」と、今の重さに物足りなくなってきて、2つめの購入を考えている方もいるかと思います。今あるケトルベルでスナッチが容易にできるようになったら、一つ重いケトルベルを購入するとよいでしょう。

金銭的に余裕があれば、2つずつそろえていくのが理想です。レネゲイトロウやダブル、オルタネイトの種目ができるからです。しかし、 ダブルで行う多くの種目はバーベルで代用できるものが多いため、ケトルベルの特徴を生かすためにはワンハンドの種目をお勧めします。24キロ2つより、24キロ1つと32キロ1つの組み合わせのほうが、ケトルベル の効果を実感できると思います。

そして、ケトルベルトレーニングもウエイトトレ―ニングの一種だと考えましょう。筋力、筋持久カ、瞬発カ、心肺機能の向上が目的なら、負荷を上げていかなければなりません。

レップ数やセット数だけ重ねていくよりも、より重いケトルベルを使用するほうが、はるかに効率がよいのです。どんどん高重量ケトルベルにチェレンジしてみてください。

 

※(↑PDFはチェレンジになっていますがチャレンジではないでしょうか?)

 

 

ギア? ノーギア?

 

「ケトルベルはノーギア!」と思い込んではいませんか? 握力が弱いため、意識が握るということに集中してしまい、上手な体の使い方ができない人は、ストラップを使用しましょう。上肢を脱力して行うコツがつかみやすいはずです(もちろん行っているうちに自然とグリップも強くなっていきます)。特に運動の目的が連動性の向上なら積極的にストラップを使いましょう。

ベルトも必要に応じて使いましょう。ケトルベルは頭上に差し上げる種目や腰に負担のかかる種目が多いので、腹圧が弱い人などはうまくベルトを取り入れましよう(アップは ノーベルト、最高重量では使うなど)。

 

 

1 あなたはどんなスナッチをしていますか?

ケトルベルの基本種目であるワンハンドスナッチ。大きく分けて2つのやり方があります。

1つ目は両足の間でスイングして勢いをつけてから円を描くように上げ、同じ軌道で振り下ろすやり方(以下スイングスナッチ)。 遠心力を利用できるので、こちらを行っている方も多いかと思います。もうひとつはハイプル→ミリタリープレスのような動きで、一気に直線的に上げるウエイトリフティングのようなやり方 (以下クイックスナッチ)です。

スイングスナッチはクイックスナッチに比べ技術的には容易です。体重が重い人ほど簡単に行えます。しかし、ケトルベルが高重量になってきたり、体重が軽い人は、スイングスナッチではケトルベルの重さに体重が引っ張られ、コントロールが効きづらくなります。また、肩への負担も増し、怪我を招きかねません。「今までスイングスナッチしかしたことがない」という方は、ぜひクイックスナッチを試してみてください。

 

1スイングスナッチ

やり方

肩幅で立ち軽く膝を曲げ、片手でケトルベルを握る。両足の間でケトルベルを振り、助走をつける。遠心力と股関節伸展の力で腕を振り上げて頭上にケトルベルを保持する。同じ軌道を通って両足の間に戻し反復する。

注意点

腰を丸めず、股関節に負荷を逃がして行うこと。振り下ろした際に膝にぶつけないように注意しよう(とくにダブルで行う場合)。

 

2クイックスナッチ

やり方

肩幅で立ちケトルベルを握る。膝を曲げながら上体を前傾させ、爆発的に股関節伸展させ、上肢にカを伝える(上肢の力は最後の差し上げるときに使い、それ以外は脱力してぶら下げておく)。

※高重量を扱う上級者のコツ→ウエイトリフティングのようにキャッチで少し膝と股関節を曲げ、ケトルベルの下に潜りこむ。

注意点

ケトルベルの位置はスイングスナッチと比べて体から離さず常に体に近づける。このクイックリフトスナッチは難しい動作なので、最初は軽い重量で動作確認をすること。

 

 

2 バランス能力をあげるためのケトルベル

ウエイトトレーニングでは筋肥大、筋力アップを目的としているため、体を安定させて行うことが多い。今から紹介する2種のスクワットは左右非対称の負荷がかかるので不安定 な状態で全身を緊張させるため、バランス能力が鍛えられます。特にスポーツ選手におすすめです。

1フロントスクワット(臀筋、ハムストリングス、体幹、大腿四頭筋)

バーベルでのバックスクワットをやっているトレーニーの方は多いかと思います。フロントスクワットはバックスクワットと違い、重量を正面に保持してスクワットを行います。

バーベルで行うフロントスクワットより股関節スクワットに近いといえるでしょう。普段バーベルでハーフしか行っていない人も柔軟性を高める目的で行ってみましょう。

やり方

ケトルベルをクリーンさせた状態で保持し尻を後ろに引くようにスクワットを行う。尻がかかとに着くまでしゃがむ。

注意点

顔は常に正面を向くこと。何も持たずにしゃがむより、ケトルベルを持って行うほうがバ ランスをとりやすい。

 

2オーバーヘッドスクワット(体幹、大腿四頭筋、肩の柔軟性、バランス能力)

手を挙げたまま行う、より難易度の高いスクワットです。フロントスクワットに慣れてきたら、またはフロントスクワットより軽い重量で行いましょう。体を立てて行うことで、肩関節へのストレスが減ります。

やり方

ケトルベルを頭上に差し上げて、スクワットを行う。体を立てて行うため、つま先重心で膝を前に出す。

注意点

顔は常に正面を向くこと。深くしゃがむと前傾しやすくなるので、肩が硬い人は徐々に深いしゃがみに慣らしていくこと。

 

 

3 反動を使わないケトルベルトレ

ケトルベルトレーニングの多くはバリスティックな動きが多いですが、反動を使ったうまい体の使い方ではなく、純粋な筋力を鍛える種目もあります。

1シーテッドミリタリープレス(三角筋、上腕三頭筋、僧帽筋)

やり方

開脚して座り、肩の高さで手の甲を横に向けたクリーンの姿勢で保持する。その姿勢から手の平を正面に向けるようにしながらケトルベルを頭上に差し上げる。

注意点

顔は常に正面を向くこと。肩をすくめない。

 

開脚することによって、普通に座って行うより、より反動を制限します。反動を使えないため、立って行うプレスよりも軽い重量で行いましょう。

鉄愛コラム

去年は試合回数こそ少ないですが、大きな怪我もなく練習もいい感じにできて、自分なりに納得できる成長を遂げることができました。今年はその成果を見せる年!

仕事ではパーソナルのほか指導も定期的に入るようになり、だいぶ「ひきこもり」じゃなくなってきました。手タレみたいに顔が映らない筋肉モデルの仕事が結構あったなぁ。まぁ、無名ですから。

しかし、なんと今回クエスト社より「山田崇太郎ケトルベルDVD」が発売されました!すげぇ。最初お話が来たときは、「トレーニングビデオの試技役」かなあと思っていたのですが、題名に名前入れてくれましたよ。クエストも博打やるなぁ。迷惑かけないように手売りがんばろう。この撮影、一日撮りで9時間…お花畑が見えました。みんな買ってください。鉄愛。

 

 

4 楽しいケトルベルトレ

ケトルベル独特の運動で、ダンベルでは代用しにくいエクササイズを紹介します。30秒や1分など時間を区切ったり、サーキットの中に取り入れたり、楽しく行いましょう。

1フィギア8~座位バージョン(腹筋、器用さ)

やり方

座った姿勢(長座)でケトルベルのハンドルを両手で握り保持します。そこから足を自転車 こぎのように動かしながらケトルベルを足の下をくぐらせ、8の字を描くように手でパスする。

 

2フィギア8~立位バージョン(アイソメトリックスに体幹が鍛えられる)

やり方

肩幅に立ち、膝を軽く曲げ、バスケットボールで行うように、足の間で8の字を描くように手でパスする。

注意点

足にぶつけないように注意。腰を曲げない。常に腹筋、背筋、臀部を緊張させておくこと。

 

3ジャグリング(動体視力)

顔の前でハンドルをつかむ方法だけではなく手の平の上にケトルベルの底部を乗せてキャッチしたり、足の間からケトルベルを放ってキャッチするなど、バリエーションはたくさん

あります。独創的な楽しいジャグリングを編み出してみましょう。

やり方

ケトルベルをスイングの動作で振り上げ、手首のスナップを使い、空中に放り一回転させてハンドルをつかみます。

注意点

落下の恐れがあるので場所を考えて行いましょう。足に落とさないように注意。

 

4ボトムスナッチ(グリップ力、前腕、臀筋、ハムストリングス)

通常のクリーンやスナッチでは、グリップを緩め、ケトルベルを手首の位置に移動させます。ここで紹介するスナッチは、わざとグリップを握りこみ、握力強化を狙っています。

やり方

高いスイングをする。そのままグリップを緩めず、頭上でケトルベルの球体が真上にくる形で静止させる。

注意点

グリップを緩めると、前腕にケトルベルを打ち付けてしまうので注意。

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