【コラム】恋するスクワット

恋するスクワット

唐突ですが、スクワットがキレイじゃない女性が好きになれません。

「何言ってんだ、この変態野郎」で片づけないでいただきたい!私は真剣です。

なぜなら、スクワットはすべてに通じる普遍的な動作だから。

立ったりしゃがんだりする動作が下手な人は、立ち居振る舞いも美しくないのです。

逆に、スクワットがキレイだと好印象。そんなスクワット動作は日常にも多く見られます。

また、スクワットを行うとテストステロンが多く分泌されます。

テストステロンが高まると、筋量増加や体脂肪減少といった健康効果に加え、決断力も増して積極的になります。

つまり、スクワットを行っている人は仕事ができるってことです。

 

 

スクワットで一目瞭然!?

またもや唐突ですが、スクワットで性格診断もできちゃいます。やたらと高重量を担ぐ割に可動域が狭い人は「見栄っ張り」。しゃがみが深い人は「誠実」だし、浅い人は「適当な人」。体幹が折れてしまう人は「芯がなく飽きっぽい性格で浮気性」みたいな。え?キツいからという理由でスクワットをしない人の性格診断?それは人としてダメです(はい、偏見です)。

スクワットで見る体形診断なんかもあります。スクワットがキレイな女性はヒップやハムストリングも発達していてキレイ。逆に、スクワットが汚い――というと語弊がありま すが、シシースクワットのように膝主体の動作や、外側重心でO脚のような姿勢でスクワットをやり込むと、外側広筋が肥大して大腿部が外に張り出した形になります。ボディビル的には迫力がありますが、ボディメイクとしてはどうでしょう、とこれを書いていて思いました。完全に個人の主観ですが。

 

 

体幹強化にも効果絶大

経験がある人ならわかると思いますが、スクワットは脚や臀部を鍛えるだけでなく、体幹を鍛える効果も絶大です。近年は猫も杓子も体幹。特に普段運動をしない人ほど、結構体幹好きです。手軽ですし、楽にできますからね。

ところで、「強い体幹」の定義って何でしょう?プランクが上手にできることでしょうか?個人的には、スタビリティとモビリティとを両立させてヘビースクワットを行えることも、体幹の強さとして大事だと思っています。決してプランクがダメだというわけではなく、プランクができるようになったのなら次のステップへ進みませんか?ということ。筋電図による実験でも、プランクでの腹直筋活動は自重でのスクワットと同程度という結果が出ています。アスリートが健康体操のようなものを行っても強くはなりません。

ファンクショナルトレーニングで取り上げられる考え方ですが、体幹と股関節とを連動させて動けるのが強い体幹の一要素だと考えます。必要な筋力レベルは目的や取り組む競技によって違いますが、特にコンタクトスポーツではスクワットが必須だと思います。ただし、階級制の競技においては、無駄な筋量増は避けるべきですが。

スクワットで腹筋が使われるのはわかったけれど、スクワットをしても腹直筋が筋肉痛にならないじゃないか、と思った方もいるでしょう。

筋肉痛になりやすい動作は遠心性収縮。アブローラーで筋肉痛になるのは、遠心性収縮により筋肉が引き伸ばされながら負荷がかかるからです。スクワット動作では、体幹部はスタビリティとして働く等尺性収縮がメーンなので筋肉痛になりにくいのです。もしスクワット後に毎回腹筋が筋肉痛になるのなら、フォームがよろしくないサインと捉えていいでしょう。

カラダって、局所的だと痛みを感じやすいのですが、分散されると刺激は同等でも痛みを感じにくくなります。脚のトレーニングでも一緒。アイソレーション種目のレッグエクステンションだと脚がパンパンになっても、コンパウンド種目であるスクワットではバーン感がそこまでない。武術でも、達人・倉本成春師範から「腕を抑える際は両側から力を加えるのではなく、片側にのみ力を加えるように」と指導を受けました。それは力が分散してしまうから。カラダのメカニズムは一緒なのです。

 

 

カラダの連動性がカギ

「よし、重いのを担ぐか!」という意気込みはいいけれど、ただ単に重いものを持ち上げられればいいというわけではありません。椎間板ヘルニアがあったり、スクワットに向かない体形の人もいたりするので、高負荷をかける場合には、レッグプレスやスミスマシンスクワットなどの代替種目を選択するのもアリです。

私の過去の失敗談として、ただただ重いものを扱えればパフォーマンスが上がるだろう、デカくなるだろうと、ワイドスタンスのパワーフォームでスクワットをやり込んだことがありました。結果、外側広筋と臀部は肥大したのですが、腰痛になりました。重いものを支えようと骨盤を前傾させて背中に過度なアーチを作ってしまい、背面支持で行ってしまったためです。自力が強く才能あふれるロシア人が行う、ぶっこぬきデッドリフトみたいなものも好きですが、体幹部をしっかり安定させた上で股関節を稼動させる、お手本的なフォームがいいですね。

私のスクワットにおける現在のトレンドは「足底の重心感覚」。一時期は重心を内側に意識しすぎて、足関節を外反させ拇指に無理やりのせることもしていましたが、これは正しくありません。構造的に不自然。今は小指側も意識して中臀筋を効かせることで、重心を内側にもってきています。実は中臀筋もスクワットにおけるキーポイントの1つで、支持基底面=両足の中心にしっかり体幹を置くことで、体幹の側屈やそれに伴う回旋などの代償動作を抑えることができます。

軽い重量ならごまかせても、高重量になれば小さなミスでも影響は多大。適切な部位に効かせて、リラックスさせるべき場所はリラックスさせましょう。全身を固めて使うと連動性を失うことになり、不自然な動作につながります。

スポーツでも、全身を固めていたらぎごちない動作になって、使えない筋肉ができ上がってしまいます。単純に筋肥大だけを考えるのなら別かもしれませんが、力を入れるタイミング、力を入れる個所・抜く個所を適切にコントロールすることが大事だと思います。

例えばベンチプレスのようなプレス動作だと、肩甲骨周辺を安定させたほうが重量を扱えるので歯を食いしばりますが、スクワットの際はしません。食いしばることで僧帽筋周 辺に力みが生じ、重心が上に行き、腹圧が抜ける感覚があるからです(あくまでも個人的感覚ですが)。ちなみに、日本ボディビル選手権で6連覇中の鈴木雅選手は最近、スクワットの際に上半身をリラックスさせるそうです。効かせる感じで軽めかと思いきや、フルで200kg!鈴木選手にとっては軽めなのでしょう。

さあ、今号の特集を読み終えたら、きっとスクワットがしたくなること間違いなし。みんなを誘ってスクワットをしましょう!

“Shall we squat?”

 

スクワットは、力を入れるタイミングと力を入れる個所・抜く個所を

適切にコントロールすることが大事。

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