【コラム】質は「密度」と「賢さ」にあり

皆さんこんにちは。今回のテーマは「質」。「質」といえば職質。

以前、深夜にケトルベルを両手に持ってファーマーズウオーク風に散歩していたら、パトカーが停まって職質されたことを思い出します。

「こんばんは、ちょっと何してるのかな?」「体、鍛えてます」「それは何?」「ケトルベルです」「ちょっとごめんね、身分証明できるものないかな?仕事何してるの?」

「トレーニング中なのでケトルベルしか持ってません。格闘家です」

――沈黙ののち解放されました。職質って、任意と言いながら割と強制的。

まあ、客観的に見れば、深夜に鉄球持ったハゲがハァハァ息切らしながら歩いてたら職質しろ、って思います。認めます、不審度100%山田です。

 

 

目標設定はマスト!その上で密度を追求する

「質」という言葉は、おおよそ提供されるサービスや製品について、消費者側が求める特性との合致度と考えられています。では、トレーニングの質を左右する要素とは、何でしょうか?種目選択、可動域、レップ数、セット数、動作速度、TUT(Time Under Tension/筋の緊張時間)、重量、インターバル、種目数、トレーニング頻度、マッスルマインドコネクション(いわゆる効かせるテクニック)と実に多様です。

質を高めるためには、まず目標を設定するとよいでしょう。ゴールがなければ、漠然とした取り組みになってしまうからです。そして期限を設けること。「いつか痩せる」と願う女子は星の数ほどいることでしょうが、切羽詰まらないと取り組まないのが人間。現実離れせず、かつラクすぎない目標を設定します。

トレーニング初心者が1年で、ボディビルの日本選手権で日本一になるという目標設定は無謀です(そもそも出場権を獲得することすら難しい)。とはいえ、10年計画で日本選手権出場を目指すにしても、ショートゴールを設けたほうがモチベーションを保てます。目標から逆算してプランを決めましょう。

トレーニングも、時間を決めて行います。僕はトレーニングが大好きなので、できるのなら何時間でもしたいタイプなのですが、余計な疲労を招いたり、内容の薄いトレーニングになったりしてしまいがちです。つまり、質を高めるためには「密度」が大事。いわずもがなインターバルでスマホをいじらないこと!マシンに座ってメールを打ち始め、トレーニング時間よりもメールを送る時間が長い「トレーニーもどき」にならないように注意しましょう。

また、トレーニング中だけでなく、トレーニング以外の過ごし方こそ、工夫することで差がつきます。トレーニング・栄養・休養の3本柱についてはよく知られています。トレーニングに支障を来すことは減らしましょう。深酒や夜遊びはもちろん、食事についても過食は胃に負担をかけます。とはいっても、社交性が失われて人間関係がうまくいかなくなり、「筋肉だけがお友達」というのも寂しいもの。仕事上の付き合いもあるでしょうから、その辺りは節度を守るようにしましょう。それから、セルフで行うボディケアやストレッチも習慣化したいものです。

 

 

トレーニングの質向上 〈実践編〉

トレーニングにおける明確な強度の指標に、「同一条件のフォームで重量を伸ばす」というものがあります。同じ種目でもフォームが異なる場合――ベンチプレスなら、ベタ寝(ノーブリッジ)とお尻が浮くようなフォーム――、仕事量や使う筋肉が変わるため、比較が難しくなります。男なら重量を伸ばすことを指標にトレーニングするのがセオリーですし、競技者は別として、単純に重たいものを持ち上げられる人がカッコいいという憧れはあります。

僕はロニー・コールマンの雑なトレーニングが好きでした。上手なトレーニングは勉強になるのですが、面白みがない。アームカールでも軽いダンベルでしっかり効かせるより、上体を煽(あお)って振り回すほうが好みです…と、ストロングスタイル志向だったのですが、気持ちとは裏腹に、関節はストロングでなかった模様。関節の耐久度の問題から、質向上にシフトチェンジしました。出した答えは「賢くトレーニングする」こと。無理のないフォームで重量を追求していくのです。

 

 

「トレーニングがうまい」と評される理由

「トレーニングがうまい」とはよく使われる言葉ですが、具体的には何を意味しているのでしょうか?

①効かせ方がうまい。しっかり目的の部位に刺激が入っている

「トレーニングがうまい」という言葉から連想するのは、こういう意味合いが多いと思います。部活の補強などでは「効かせず、いかに負荷を分散して数をこなせるか」「指導者に見つからずに補強をサボれるか」という人がうまいと評されます。

②挙げ方が安定している

レップごとに軌道が変わったり、スクワットで体幹が折れたり、レッグプレスの動作中に足裏の重心が動いたりするのは不安定。そういったことがない動作です。

③しっかりアイソレートしている

体をしっかり分けて使えていることを指します。例えば肘から先だけを動かしたいのに、肩も動いてしまうようではいけません。

④体が連動して動いている

③と矛盾するようですが、重量を扱う上で、多少のチーティングは必要です。部位別のトレーニングをしていたとしても、ウエイトトレーニングは全身運動。目的の部位に刺激がしっかり入っていればOKです。例えば、三角筋をターゲットにサイドレイズを行う場合、僧帽筋に刺激が入っても三角筋への刺激が強ければ合格とします。

 

要するに、上手なトレーニングをすることが質向上の秘訣ではないでしょうか。ものすごい体をしていても扱う重量が軽いビルダーもいれば、重いものを振り回しているけれどサイズのないアスリートもいます。継続的な筋肥大が目的の場合、やみくもに重量を伸ばすことにこだわる必要はありません。目的に応じて、適切な方法を選択しましょう。

トレーニングの質向上のために重要となるのが「反復練習」です。フォーム習得もそうですが、効かせるのも技術。しっかり筋肉に負荷をのせることやリズム感も大切です。それから動作スピードのコントロール(メリハリ)も効かせる上で大事になります。ポジティプ動作は全速力で行います。スロートレーニングのように動作中の筋緊張の抜けをなくして効かせるテクニックもありますので、効かせにくい人やトレーニング歴が浅い人にもお勧めです。

その昔、ジャイアントキラー、と呼ばれた津田宏さんが、メトロノーム(振り子で左右に動くテンポを計る音楽用具)を用いて、動作速度をコントロールして行っていました。まねをしてメトロノームを買ったのは、懐かしい思い出です。今は電子メトロノームやアプリもあるので、正確にテンポを計りたい人は取り入れてみるのもよいでしょう。

さあ、トレーニングの質を上げてひと目で何者なのか伝わる体を身に付けて、職質対策しましょう。

 

 

上手なトレーニングが質向上の秘訣。目的に応じて適切な方法を選択しよう。

 

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