【コラム】 簡単そうで奥深い。

トレーニング以外のトレンドに関するアンテナが低めの情報弱者、山田崇太郎です。

「ウォーキングデッド(アメリカの人気ドラマ)好き?」って友人に聞かれ、

ウオーキングランジみたいな種目を連想。歩きながらデッドリフトとか、

トラップバーやダンベルじゃないとやりにくそうだなあ、と妄想。はい、筋肉バカです。

このウォーキングデッド、話の内容はゾンビが襲ってくるというありきたりなものですが超面白い。 シーズン7まで続くだけあります。 床からバーベル、ダンベル、ケトルベルを持ち上げるだけの一見簡単そうに思えるデッドリフト。ゾンビ映画もトレーニングも、シンプルなものにこそ奥深さを感じます。

 

 

デッドリフトのフォーム習得は必須!

しかしながら、これ以上ないというくらいのネーミングセンスですよね、デッドリフトって。その由来は諸説あります。死体を持ち上げる様に似ているから、死ぬほどきついから、デッド(静止した)ウエイトを持ち上げるから(ベンチプレスもスクワットも、基本はネガティブ動作〈=下ろす動作〉からスタートしますが、デッドリフトはポジティブ動作〈=挙げる動作〉からスタートします)。どれが正しいのかはわかりませんが、どれも納得できます。

男なら、デッドリフトは床引き一択!そんなふうに考えていた時期が私にもありました。スポーツジムでロニー・コールマンよろしくワイルドなデッドリフトをやると怒られるので、自宅に土間を作ってデッドリフトしてました。落とし放題、バウンドし放題。このコラムのタイトルの由来でもあります。「引きこもりホームトレーニー」だった、20代半ばの山田。ああ、青春。リア充に嫉妬する気持ちをバーベルで発散する、非生産的な青春。筋肉だけを信じていました。高重量のデッドリフトを持てても、異性にモテないのは私が20代で証明しています。

とまあ、活動的ではない人生を歩んでいた山田ですが、デッドリフトにおける筋肉の活動量は打って変わってすごいです。脊柱起立筋や下肢はもちろん、僧帽筋や広背筋、重たいものを手に持つので上腕二頭筋にも刺激が入ります。日常でも多く見受けられる動作で、機能的なエクササイズともいえます。「腰に負担がかかるから」と敬遠している方も多いと思いますが、腰痛の人にこそ取り入れてほしいものです。

事実、私がトレーニングを指導する際に、フリーウエイトやケトルベルで最初に教えるエクササイズがデッドリフト。それはなぜか?デッドリフトのフォーム習得は必須だからです。ほぼすべてのフリーウエイトによるトレーニングは、ウエイトを床から持ち上げることからスタートします。バーベルカールにしても、スタート姿勢をつくるためにまずデッドリフトの動作があります。そのため、デッドリフトのフォームを習得せず適当に行えば、重量が軽くても故障のリスクが高まってしまうのです。

デッドリフトでは背部、臀筋、ハ ムストリング、大腿四頭筋が主に作用します。デッドリフトといってもルーマニアンのように股関節を軸として行うものや、合戸さんデッドのように胸を軸として行うもの、スタンダードデッドリフトのように膝と股関節とを使って挙げるものなど、フォームのバリエーションも多くあります。どのような目的で取り入れ るのかにもよりますが、作用点・支点・力点くらいで構わないので、力学を理解しておくとわかりやすいと思います。ちなみに、腰を痛めないためには重量物とカラダとの距離を近づけ、腰を丸めずに膝と股関節とを曲げて、脚の力で挙げるフォームを身につけましょう。

 

 

目的に合った適切な可動域で鍛える

デッドリフトは多くの筋肉を一度に刺激できる効果的なエクササイズですが、細分化された分割法だと取り入れづらいのも事実。「上背部を鍛える目的でデッドリフトに取り組んでいるけれど、脚と脊柱起立筋に効きすぎて脚の日に支障が出てしまう」「スクワットで腰が疲労して別日にデッドリフトも行うと1週間を通して慢性的に腰が疲労している」 といった悩みをおもちの方も多いのではないでしょうか。私がそうでした。

そんなときは、膝上から引くトップサイドデッドリフト。背中をアイソレートしやすいだけでなく、デッドリフトにおけるスティッキングポイントを省けて重量も扱いやすいので、背中の筋群により大きな物理的ストレスをかけることが可能です。

ただ、「デッドリフト300kg挙がるぜ」と言った選手の動画を見たときに、トップサイドだとガッカリします。いや、まあまあすごいんですけどね。クオータースクワットやケツ上げベンチと同じで、同条件の比較じゃないとモヤモヤ感が残ります。とはいっても、床から引くのは明確な気もする半面、関節可動域と種目の可動域が一致していないから、合理的な発想で鍛えたほうがいいと思うんです。だって同じ床引きでもプレートの周径囲で可動域が変わりますよね?20kgプレートより10kgキロプレートのほうが可動域は広くなります。

この考えを発展させていくと、より深く下ろせるようにするってことで、台にのってデッドリフトを行うツワモノもいます。立位体前屈かよというくらい、胸が膝につきそうなほどべったり前屈するデッドリフト。床引きデッドリフトのファーストプル強化で取り入れることもあります。

バリエーションはいろいろあるけれど、結局どれが正解なの?床引き?膝上?台にのって?答えは1つじゃありません。選択肢は多いほうがいいんです。

例えば、胸のトレーニングでバーベルベンチプレスよりダンベルベンチプレスのほうが可動域を多くとれることから、ダンベルを好むボディビルダーも多いですが、一方でバー ベルも根強い人気があります。可動域を広くすることと重量を扱うことのバランス、そしてトータルの仕事量で考え、目的に合った適切な可動域で鍛えるのがよいかと思います。ボディビルダーの方はトップサイドが多いですね。パワーリフティング出身のボディビルダーだと床引きで行うことも多いようですが。効果があるというのもさておき、得意なものだと積極的に取り組むのでしょう。好きこそものの上手なれ。1つ言えるのは、BIG3をやり込んでる人のカラダって、厚みが違います。

私は背中の日に床引きと膝上からのトップサイドデッドリフト、脚の日に片脚でルーマニアンデッドリフトを行います。ハムストリングは股関節と膝関節の両方に関与する筋肉

なので、レッグカールのような膝関節屈曲動作だけでなく、股関節伸展動作を取り入れると効果的です。

スティフレッグドデッドリフトは、膝へのストレスから個人的にはあまり好きではありません。どちらかというとルーマニアン推し。

片脚デッドリフトは、女性トレーニーが行っているのをたびたび見かけますが、男性で取り組んでいる人は少ないようです。この種目はハムストリングの筋量アップに効果絶大なので、もっと市民権を得てもいいと思っています。バーベルベントロウとワンハンドロウの関係のように、「注意の分散」「相反性神経支配」「大脳半球間抑制」の影響から、両脚で行う重量の半分以上を扱うことができます。単純に両脚より片脚のほうがよりアイソレートしやすいということです。

自分に合ったデッドリフトでヒップアップ!筋量アップ!さらには女子力アップしちゃいましょう。

 

 

 

バリエーションの選択肢は多いほうがいい。

可動域と重量のバランス、仕事量を考え、目的に合った適切な可動域で鍛えよう。

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