【コラム】体幹を鍛えよう!

皆さん、こんにちは。ディズニーランドと同い年、1983年生まれの山田崇太郎です。今回のトレマガは「80年代のトレーニング」特集。バブルや竹の子族全盛の80年代、トレーニングからも時代を感じます。温故知新、学ぶものも多くあるでしょう。30年経過した今でも古びず使えるトレーニング法もあれば、180度方法が変わったものもあります。というわけで、 幼少の頃から筋トレー筋、「崇太郎的トレーニング論」を以下に展開してまいります~。

 

 

誤解を恐れずに言えば…

トレーニング法にも変遷があり、近年ではファンクショナルトレーニングが流行しています。ファンクショナルとは機能的という意味で、日常やスポーツ動作で生きる事を目的 とした内容。このファンクショナルトレーニングが注目され始めたのは、実は80年代でした。それまでは筋肥大を目的としたトレーニングが主流で、動作に着目したトレーニング法はあまり見受けられなかったように思います。

誤解を恐れず言えば、トレーニングの進歩を阻んだのはボディビルの影響が大きいでしょう。トレーニング指導者が必然的にボディビル出身者が多かったこともあり、筋肥大に フォーカスしたトレーニングを指導することが多く、スポーツパフォーマンスの向上を目的としている場合など〝使えない筋肉〟などと揶揄され、ウェイトトレーニングに否定的 な考えを持つ方も多くなりました。

矢状面、前額面、水平面といった基本面が考えられていないものだったり、効かせ癖に代表される連動性の欠如、持続的力発揮(ノンロック法に代表されるトレーニング法で、筋肥大を狙うためには筋肉の緊張時間というのも重要なファクターとなる)による力み癖が原因で生じる脱力感覚の難しさ、そしてある程度追い込む必要がある筋肥大トレーニングでは、パンプや疲労によって実技の動きが一時的に悪くなってしまう。

これも、筋肥大に重きを置いたボディビル的トレーニングが原因となるものです。

それでも、人によっては一時的にパフォーマンスが向上する方もいます。神経系の促通であったり、運動神経のある方に見られるのですが、自然と全身を使った連動性のあるトレーニングができている場合などですね。ただそこにも落とし穴があり、筋肉至上主義とでもいいますか、筋肉信仰が強くなり過ぎてソフトのほうを軽視してハード面ばかりを鍛えることに時間を割いてしまう…。

そもそもスポーツの競技力向上のための補強、といった位置付けだったものが体の変化が面白くなってしまいボディビル的トレーニングに走ってしまう、あるいは重量を伸ばす ことにこだわって、挙げるためのフォームになりパフォーマンスと相関のない動きになってしまう…。これでは本末転倒です。

私の知人でも、格闘技のために始めたトレーニングからトレーニングの魅力に取りつかれ、ボディビルに転向した方もちらほらいます。

本当にやりたかったものが見つかった、ボディビルの入り口という意味ではいいのですが…。トレーニングも薬のようなもので、やり方次第でメリットもデメリットもあること を忘れてはなりません。

 

 

トレーニング界に一石を投じたマイケル・ジョーダン

50年代から80年代の間にボディビルは、トレーニング法の確立やサプリメントの進歩などにより飛躍的な進化を遂げましたが、ことファンクショナルという視点では停滞したものでした。

そんなトレーニング界に影響を与えたのがバスケット界を飛び越えた世界的なスーパースターであるマイケル・ジョーダン。彼は負傷からのリハビリとしてトレーニングを取り 入れて、今までの天性の動きに加えて安定性とさらなる高さを持ってコートに帰ってきました。

その時に取り入れたプログラムがジャンプアタックという内容で、このプ口グラムによってジョーダンの垂直跳びは96センチから122センチに伸びたそうです。このトレーニ ングは革新的なもので、今までのスポーツトレーニングはトレーニングで筋肉をつけて、実技練習で筋肉を使えるようにする、といったものでした。スポーツにおける動きの改善であったり、筋肉をつけるだけでその筋肉をどうスポーツに使えるようにするか?という〝つなぎ〟の部分が抜け落ちているのですね。このジョーダンの成功を境に、ファンクショナルトレーニングは着目されていきました。

ジョーダンも取り入れた、具体的なパフォーマンスを向上させるトレーニング、ファンクショナルトレーニンダとはいったい何なのか?例を挙げて説明していきたいと思います。

例えば、立った姿勢から手で水平方向に押す動作を強くしたいという思考から、手を前に伸ばす筋肉を鍛えるベンチプレスを採用したとします。トレーニングの甲斐あって、ベンチプレスの挙上重量が20キロ伸びました。それだけで目的の動きは強くなるでしょうか?おそらく答えはNOでしょう。

試してみましょう。立った姿勢で壁を押してみます。この時、しっかり脚で踏ん張りますよね?立位で水平方向に押すということは下肢が安定していないと難しい。ベンチプレスではベンチ台が体を支えてくれますが、その支えがないと反作用で体がのけ反ってしまうでしょう。そして下肢の力を伝える、腕の力を発揮させるためには体幹が重要。ここが安定せず、グラグラしていると体幹部分が緩衝材のようになって力が逃げてしまうんですね。

単純な「押す」という動作でも、このようにいくつもの筋肉が複雑に関与してきます。パフォーマンス向上、日常動作を楽にするためには筋肉をパーツで考えず、全身で捉えて動きの向上を目指しましょう。

 

 

体幹から鍛えていこう!

最近の流行の体幹。ファンクショナルと聞いて体幹を連想する方も多いでしょう。

体幹は上半身と下半身をつなぐ重要なパーツ。ここが使えていないと上半身と下半身がバラバラになってしまいます。そして手足のどの末端とも違い、意識しにくく動きの悪い 方も多いため、その重要性が強調されることが多くなります。ただ、一方で体幹だけ鍛えればいい、って誤解もあると思います。

落とし穴といいますか、安易にボディビル的トレーニングはパフォーマンス向上に結びつかないからやらない、ハムや臀筋といった股関節伸展が強調されるあまり四頭筋は不要、といった極端な論調になってしまったり…。

基礎筋力は必要です。トレーニングの目的もさまざまですが、運動不足解消やストレス発散を除くと、体作り(ダイエット含む※本来の食事療法の意味でなく、日本で認識されている痩身のニュアンスで)とパフォーマンス向上(競技力向上だったり、リハビリ、日常動作をスムーズに行う)の2つに大別されるかと思います。

もちろん、この2つは割り切れるわけでなく、動けて良い体が欲しい、というのがトレマガ読者はもちろん、国内では多いのではないでしょうか?

ファンクショナルトレーニングでも筋肉はつきます。ただ、その効率性ではボディビルトレーニングが優れています。やり過ぎがよくないのであって筋肥大も必要です(ちなみに、ファンクショナルトレーニングをマスターしていくと疲れにくく痩せにくくなります。効率のいい=省エネなので、体を作る目的であれば、あえて非効率な体の使い方をするのが正解となります)。

ファンクショナルはソフト面、筋肉の使い方を学ぶのと平行してハード面も鍛えることも重要です。筋肉を使えるようになっても、そもそもその筋肉がなければ効果は薄いでし ょう。両方大事なのです。体が変わることによってモチベーションや自信もつきます。メンタル的にプラスの効果もあるのです。

国内はともかく、世界に出ると明らかな体の違いから委縮してしまう選手も多いようです。私は競技にも取り組んでいますが、ボディビルが好きで、試合で相手選手と向かい合った時に自分の体と相手選手を比較審査して、自分のほうがデカいことを確認して安心してから試合に臨みます。仮に相手のほうがデカかった場合はカットで勝負!審査員が自分のピックアップなので、もちろん主観でございます。

体幹――。やっぱり重要です。ボディビル思考の方もアスリートも、まず取り組みやすい体幹から鍛えて機能性を高めていきましょう。

 

筋肥大に重きを置いたボディビル的トレーニングの功罪とは…。

 

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