【コラム】 格闘技流補強トレーニング

みなさん、筋肉してますか?

最近メディアを騒がしているタイガーマスクのランドセルプレゼント運動や山P主演の〝あしたのジョー〟、〝巨人の星〟ばりの活躍が期待されるハンカチ王子こと斎藤祐樹選手のニュース。一見無関係に見えるこれらの報道ですが、実はスポ根という共通項があるのですっ!(梶原一騎作品というのが一番の共通項ですが…)スポ根の代名詞といえば〝補強〟。科学的なウェイトトレーニングに対して腕立て伏せ1000回やうさぎ跳びといったような非科学的な根性論のイメージで、部活での先輩からのかわいがりやシゴキが連想される補強ですが、実は最先端のトレーニングに負けるとも劣らない目を見張るような効果があるのです。温故知新、補強を見直してトレーニングメニューに取り入れてみませんか?古いけど新鮮な刺激で、トレーニングで真っ白になってやりましょう。

 

 

格闘技流トレーニング

今回紹介する内容は、格闘家が実際に日常の練習で行っている〝補強〟と呼ばれるものです。格闘家が補強を行う目的は以下の通りです。

 

・カラダ作り

・実動作に近い形での筋力強化

・技術的な反復練習(脇が閉まる等、格闘技的にいい癖をつける)

・筋持久力、心肺機能の強化(根性論的な要素を多分に含む)

・連動性の獲得

・効かせ癖を改善する

・可動域の拡大

等々、今流行のファンクショナルトレーニングの要素であったり、ダイナミックストレッチの効果などもあって、いいカラダにもなれてしまい、ついでに強くもなれてしまうという…補強は、一粒で何度もおいしいのです。さらには、補強には有酸素的な要素もあるのでカラダも絞れます。冬にバルクアップしてついてきた体脂肪も、一皮剥いて1つ上の男。

 

 

ありがちなクエッション

「ウェイトトレーニングずっとしてるから、格闘家なんかよりマッチョだし補強なんかやらなくていいだろ?」

<アンサー>

一般的なウェイトトレーニングで筋肉をつけても、即パフォーマンスが向上するわけではありません。例えば、ジャンプする能力を向上させるために、大腿四頭筋や関与する筋肉を鍛えることで即高くジャンプができるようになるわけではないのです。これは、トレーニーが陥りやすい間違いです。

というわけで、見かけ倒しでない機能的な〝格闘ボディ〟を格闘技流トレーニングで獲得しましょう。

 

 

プチコラム

突然ですが、トレーニングを始めた目的ってなんですか?私はブルース・リーに憧れて強くなりたい!というありふれた理由ですが、そこまでストイックに強さを追い求めていたわけもなく、異性にモテたい!という下心も否定できません…。ある雑誌の調査によると、女性が男性の理想的な体型は格闘家が上位だそう。でも、たぶんトップは主旨違うイケメンなんでしょ?結局、顔かよ!

まあ一番目立つ部位は顔だからなあ…。

イケメンを羨んでも建設的な話にならないので、せめて努力次第でどうにかなるカラダを鍛えてモテるようになりましょう。

そんなカラダ作りに代表されるウェイトトレーニングですが、単調で飽きちゃうよ!って方も多いはず。効果が出たり、パンプの快感を楽しめるまでには時間がかかります。

そんなあなたにお勧めするのが格闘技流トレーニング。カラダを作る方法はウェイトトレーニングだけではありません。バーベルの上げ下げのように単調ではなく、動きがあって、対人動作の競技なのでそれ自体がスポーツとして面白いのです。

とりあえず今回の補強トレーニングをキッカケに格闘技の門をくぐってみませんか?というわけで騙されたと思ってBRAVE、または近くのジムに行ってみましょう。

格闘技にハマッて気付いたらモテボディも獲得!みたいな皆さんのサクセスストーリーを期待しています。ちなみに、女性はジムをくぐっただけでモテが始まります。自衛隊ばりの男女比なので、選りどり見どり間違いナシ!です。

 

 

種目解説

引き(広背筋、上腕二頭筋、臀筋)

一見ワンハンドローイングをオルタネイトでやっているような種目ですが、臀筋などにもバンバン効きます。スムーズに引きつける動きが身に付きます。

<やり方>

二人一組になり、腕を交差する形で組んでゆっくり力を入れながら左右交互に引き合う。お互いに力を調節して行う。

 

くぐり背筋(首、脊柱起立筋、臀筋、ハムストリングス)

一見グッドモーニングのような動きですが、デッドリ フトなどの股関節伸展動作だけでなく、腰椎が屈曲した姿勢で腰への負担が大きいので注意して行うようにします。テイクダウンの強化に効果的。

<やり方>

がぶられた姿勢から頭を左右どちらかの脇に出して相手を持ち上げる。ゆっくり降ろして反対側も行う。

 

膝締め、膝開き(内転筋、中臀筋)

大きいジムでないとあまり設置されていないこともある、アダクターマシンの代用になる 種目です。女性が気になる太股のたるみにも関節技の強化にも効果的。

<やり方>

体育座りの形で向き合って座った姿勢で、相手の両膝を自分の両膝で挟み、ゆっくり閉じていく。交代して開く動作も行う。

 

互いの力が拮抗していない場合は、受け手が体重をかけるようにして脛と手を使って内転筋に負荷をかける。

 

クロス腹筋(腹直筋、内転筋、腸腰筋、前脛骨筋)

ガードポジションと呼ばれる、相手の胴を両脚で挟んだ形でのシットアップ。腹直筋にはもちろん、相手の胴を挟んだ姿勢を保持するために内転筋と前脛骨筋もアイソメトリックに収縮します。受け手も立っているための筋力とバランス能力が要求されます。相対的に相 手のウエストが太いと難易度が高くなります。いや、私の脚が短いわけではないはずだと思いたいです…。ガードワークの強化に。

<やり方>

受け手の胴を両脚で挟み、両足首を立てクラッチして腹筋を行う。

 

馬乗り腹筋(腹直筋、前脛骨筋)

可動域が大きく腹筋をストレッチさせることのできる種目。かまぼこ型ベンチの器具のような刺激です。ただし、腹筋だけをアイソレートできませんが。

<やり方>

亀になった受け手に背を向けて馬乗りになり、相手の大腿で足を固定。そのまま反って腹筋。

 

手押し車(上腕三頭筋、三角筋、大胸筋)

三頭筋に凄まじいバーンが感じられる種目です。慣れてきたら合間にプッシュアップを挟んだり、傾斜をつけて負荷を高めます。コツというか、ノルマをこなすためには受け手に前進してもらう協力が必要になります。

<やり方>

腕立て伏せの姿勢で、脚を受け手に持ってもらい手で歩く。

 

だっこスクワット(大腿四頭筋、臀筋、脊柱起立筋)

ランジに似ていますが、膝を地面につけるまで深くしゃがみ込み、歩幅も狭くタックルに近い足運びになっています。テイクダウン能力の強化。

<やり方>

受け手をお姫様だっこし、一歩踏み出しながらしゃがむ。しゃがんだままもう一歩進み、立ち上がる。身体は立てたまま行うこと。

 

ブリッジ(首)

ストレッチ要素を多分に含むレスリングの代表的トレーニングです。ウェイトトレーニーで首を鍛えているという人は少ないのではないでしょうか?せいぜい僧帽筋にシュラッグを数セットやる程度ではないでしょうか。首は外見には影響は少ないかもしれませんが、生命に関わる重要な部位です。〇〇がネックになる、というような言葉からもわかるように首は周知の弱点であり、格闘技においても相手から狙われる箇所です。そのため鍛えておく ことは必須です。交通事故にあったけど、首を鍛えていたおかげでムチ打ちや大事にいたらなかったという話も耳にします。格闘技をやっていない人も、自分への保険として首のトレーニングを行っておきましょう。デリケートな部位なので注意しながら行いましょう。

<やり方>

仰向けになり、体を反らして額と足裏の3点で体を支える。負荷を高めるためには腹部に受 け手を乗せる。負荷を減らすためには、自分の両手も使いながら補助する。

 

脇締め(広背筋)

古来より柔道で行われているトレーニング。筋肉を鍛えるというより、脇を締める癖をつけるためのトレーニングです。格闘技では脇が開くことで力が伝わりにくかったり、隙が生まれてしまうので脇を締めることが大事なのです。

<やり方>

うつ伏せになり上体を起こす。手を前方に伸ばし、掌を天井に向けながら脚のカを使わずに広背筋の力で前に進む。

腕プルオーバー(広背筋、大胸筋、上腕三頭筋)

脇締めの強化版のような種目。上腕三頭筋と腹直筋にかかるネガティブな負荷は強烈です。

<やり方>

腕立て伏せの姿勢から受け手に脚を持って後ろに引いてもらい、そこから上体の力を使い元の姿勢に戻る。

 

俵返し(脊柱起立筋、広背筋)

投げ技の強化に。クリーンのように瞬発力を使って行います。

<やり方>

受け手の胴でクラッチし、受け手は自らの膝を抱える。円を描くように持ち上げ、左右交互に行う。

 

道着懸垂(底背筋、上腕二頭筋、前腕)

ローイングで重量を扱えても、対人動作では十分ではありません。レスリングでは相手の体、着衣格闘技では着衣を引っ張る能力が必要になってきます。人はダンベルやバーベルのように持ちやすく作られていません。ストラップも使えないのです。さらに相手も抵抗するので、それを押さえつける把持力というものも必要になってきます。その状態を再現とまではいきませんが、実動作に近づけたものがこの道着懸垂です。

<やり方>

鉄棒に道着を掛けて道着を組み、手の形で握り懸垂を行います。

 

スパーリング

総合的な要素を含む最高の補強トレーニング、それがスパーリングです。スパーリングで足りない要素が見つかったら、そこを重点的に各補強で強化しましょう。矛盾しているようですが、スパーリングはすべての要素を内包しているので、個別に特化して強化する効果は低いのです。例えば、同じスパーリングというトレーニングであっても、実力差があれば、一方は関節技を狙うトレーニング、もう一方は関節技を防ぐトレーニングとなってしまいます。この解決法としてさまざまな実力の相手とスパーリングを行うことと、各補強で弱点を強化することが必要になってきます。グラップリングや柔道、レスリング等の組技のスパーリングは、徒手抵抗の負荷がかかるため筋肥大要素が大きく、トレーニーにも馴染みやすい かと思います。ボクシングやキック等の打撃のスパーリングは、有酸素運動の要素が大きいので体脂肪のカットに効果的です。

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